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「んーと、中谷達から、ストラップやるから伊織に反抗しろと言われた」
「いっちゃん、はしょり過ぎぃ~」
でも、簡単に言わないと……
ん~、それもそうかぁ~
尊と話し合っていたら、伊織に苦笑された。
伊織に手招かれて、俺はベッドを下りる。
近づく俺を、伊織は掬い上げる。
尊を左足に移動させ、俺を右足に座らせた。
なんじゃ、これは……?
ま、良いか!
「大体の事は、李杜から聞かされているから、説明しなくてもいい」
南め、やっぱりチクったな!?
「俺が訊きたいのは、お前達がどうしたいか、だ」
「ストラップ、欲しい……」
ぼそぼそ尊が言うと、伊織は溜め息を溢した。
「わかった」
だが、と伊織は続ける。
「危ない真似だけは、するなよ?」
伊織がお父さんになってるー!
「伊織お父さん、明日から弁当ないんで、宜しく」
「誰がお父さんだ」
頬をつねられた!
痛いれす……
「あっ、俺はゲーム手伝えないから」
「わかった」
答えて、伊織はじっと俺達を見詰めた。
時折金色にも見える薄茶の瞳は、なんだかちょっと優しく俺達を映し出していた。
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