五匹目 レッサーパンダは 斗う!?

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「んーと、中谷達から、ストラップやるから伊織に反抗しろと言われた」 「いっちゃん、はしょり過ぎぃ~」 でも、簡単に言わないと…… ん~、それもそうかぁ~ 尊と話し合っていたら、伊織に苦笑された。 伊織に手招かれて、俺はベッドを下りる。 近づく俺を、伊織は掬い上げる。 尊を左足に移動させ、俺を右足に座らせた。 なんじゃ、これは……? ま、良いか! 「大体の事は、李杜から聞かされているから、説明しなくてもいい」 南め、やっぱりチクったな!? 「俺が訊きたいのは、お前達がどうしたいか、だ」 「ストラップ、欲しい……」 ぼそぼそ尊が言うと、伊織は溜め息を溢した。 「わかった」 だが、と伊織は続ける。 「危ない真似だけは、するなよ?」 伊織がお父さんになってるー! 「伊織お父さん、明日から弁当ないんで、宜しく」 「誰がお父さんだ」 頬をつねられた! 痛いれす…… 「あっ、俺はゲーム手伝えないから」 「わかった」 答えて、伊織はじっと俺達を見詰めた。 時折金色にも見える薄茶の瞳は、なんだかちょっと優しく俺達を映し出していた。
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