五匹目 レッサーパンダは 斗う!?

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そう言えば俺達は、伊織にずっと守られていたんだっけ…… 「「伊織……」」 あっ、尊と被った!! 尊も、同じ事を考えていたらしい。 俺達は互いに顔を見合せ、苦笑いしてから伊織に視線を戻した。 「伊織、ずっと俺達を守ってくれてた?」 「俺達に、気付かせない様にして……?」 伊織は、何も言わない。 「何で?」 「どうして?」 促しても、答えない。 「「伊織?」」 口を開こうとしない伊織に焦れて、俺達は再度促す。 ポスッと、俺達の頭に伊織は手を載せた。 「ボケたお馬鹿2人、放っておけないだろ?」 はい? 何だって? 俺の耳、調子悪いのかな……? まさか、ねぇ? なんだか、とてつも無い暴言が聞こえた気がするよ? うん、確かに聞こえたね? 「「ひどっ!」」 俺達の叫びに、伊織は低く笑い出す。 「相変わらず、以心伝心やってるんだな?」 昔な……と、年寄りみたいに伊織は語り出した。 それは、俺と尊が出会った、小学校の入学式の日から始まる昔話だった…… .
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