五匹目 レッサーパンダは 斗う!?

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だが――と、伊織は苦々しい顔で続ける。 「そっとしといてやってくれれば良いものを、お前達に要らぬちょっかいを掛ける奴等が大量に出始めた」 そう言えばあの頃俺達は、同級生のみならず、上級生からも四六時中ちょっかいをかけられていたっけ。 年上からも人気のある、伊織と和美。 この2人と近しい、パッとしない平凡な俺と尊。 何でお前達みたいのが、2人と仲良いんだ、と蹴られた事もあった様な……? 小突かれたり物を隠されたりは日常茶飯事で、確か殴られた事もあった。 和美とは兄妹だし、伊織とは生まれた時からの幼馴染みだし、そんな俺と親友になった尊だって、尊の意思に関係無く2人と近しい仲になってしまったのだし…… 俺と尊の責任じゃないよ? 「呆れる程にお前達は、他人に興味なかったな?」 うん、伊織の言う通りだ。 あの頃の俺達は2人で居る事だけが全てで、誰に何を言われようが、誰に何をされようが、全く興味なかった。 だがそうなると相手は面白くなく、エスカレートして、お前達はいつも傷だらけになっていた、と伊織は悔しそうに言う。 「不味い、と思った」 伊織の声は、苦し気だ。
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