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解っても、伊織も俺達と同じ1年生だ、俺達を守る術が見つからなかった。
親に言うのは簡単だが、根本的な解決に繋がらない。
そう考えた伊織は、自分が俺達を守れる程に強くなる事を決めた。
それまでは、卑怯だろうが何だろうが、様々な手を利用して俺達を守る。
特に利用したのは、自分の姉達と尊の兄達。
丁度4人も俺と尊の事に気付いていて、何とかしないと、と考えていたらしい。
当時4年生だったたく兄と沙織姉・香織姉の3人は、5・6年生を上手く使って味方に付け、下級生達が俺と尊に手を出さない様に抑え込まさせた。
中1のたか兄も、俺達に手を出すな、と弟や妹の居る同級生や上級生(たか兄って、やっぱり凄い!)に厳命(脅迫?)してくれたそうだ。
更に、たか兄は伊織を鍛えた。
だから俺達の虐めは、5月になる前にはすっかり消えていたらしい。
何だか知らないけど、俺と尊を虐めると最強の美形軍団に再起不能にされる、と言う神話を残して虐めは消えたそうだ。
そんな裏事情が……
でも……
ご免、伊織!
俺達――
「「虐められていた自覚が――無い!!」」
尊と一緒に叫んだら、伊織は珍しく爆笑した!
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