五匹目 レッサーパンダは 斗う!?

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「やはり、そうか」 笑いながら、伊織は言う。 「親に言わなかったのも、お前達が虐められていると感じていないと解ったからだ」 よくぶつかられたり押されたり、色々言われて殴られる事もあって生傷絶えなかったけど…… 「「あれって、虐めだったのぉ!?」」 「虐め、だったな、間違いなく」 きっぱりと、伊織は言い切った! 「ただの嫌がらせ、とかじゃなくて?」 「虐め、だ」 「「……」」 言葉が無い…… 「そんなお前達だから、余計に心配だった」 虐めを虐めと認識しない、しかも2人だけの世界に浸っていて他人を寄せ付けない……問題を起こさない超問題児……当時の担任は、俺と尊をそう評していたらしい。 だから美原君、2人をお願いね?――と担任は、伊織に俺達の事を丸投げして押し付けたそうだ。 もっとも伊織は、頼まれなくとも俺達の面倒を見る気だったらしいが…… 「お前達ときたら、知らない奴に平気でノコノコ付いて行くわ、遠足で2人だけえらく遅れるわ、もう目が離せやしない」 当時を思い出したのか、伊織お父さんは溜め息付きながら、こめかみを軽く揉んだ。
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