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まあ、良いか!
「伊織、時々こうやって話そう?」
「色んな事、話そう?」
俺と尊のお願いは、伊織に届いたようだ。
「校内では当分無理だが、家か尊の家でなら大丈夫だろう」
「「約束だよ?」」
伊織は頷く。
「おっ待たせしましたぁー!!」
バタンと乱暴にドアを蹴り開けて、コーヒーの良い香りと共に、都織が現れた。
都織は伊織の膝に座って居る俺達を不思議そうに見やると、
「兄貴、両手に花ならぬ、両足に雑草か?」
とんでもなく失礼な事を、言いやがりました!!
せめて、野花位にして欲しい……
「向こうは、どうだ?」
机にトレーごとコーヒーを置く都織に、伊織は問い掛ける。
俺と尊は伊織の膝から飛び下りて、コーヒーに手を伸ばす。
あっ、ちゃんとお煎餅がある!
しかも、有名どこの高級煎餅だ!
流石、伊織の家!!
お煎餅一つにしても、贅沢だ!!
お煎餅を手にしてホクホクしている俺を見ながら、都織は尊にこれまた高級が付くチョコの入ったガラスの器を渡す。
「尊はこっちな?」
「うん、ありがとう」
尊は嬉しそうに、受け取った。
「……で?」
伊織は都織を促した。
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