五匹目 レッサーパンダは 斗う!?

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「たか兄とたく兄が、居間の片隅で灰になってた」 都織はベッドに座り、コーヒーを飲みながら言う。 「居間は現在、ブリザードが吹き荒れております」 ブリザード? 「伊織のお母さんは何だか知らないけど真っ黒な霧みたいな感じで、家の父さんは真っ赤な炎って感じだったけど……」 尊が、不思議そうに呟く。 「家の親父が帰って来たんだ」 そうか、伊織のお父さんはブリザードなのか。 何でもない事の様に都織は言ったが、伊織のお父さんまで加わったとなると―― 「いっちゃんのお母さん、まな板の上の鯉、だね?」 言い得て妙、だぞ、尊? 「まあ、仕方ないな? どう考えても、おばさんが一方的に悪い」 呟いて、伊織はコーヒーを口にする。 「けどさ、和泉」 ぽいっとチョコを口に放り込み、都織は言う。 「見事なまでに、騙されてたなあ」 「仕方ないよ、いっちゃんはおばさんに騙される事なんて、ちっとも頭になかったんだから」 「和泉は少し、他人を疑う事を学んだ方いいな?」 「でもね」 俺はお煎餅をじっと見詰めながら、ぽつりと思いを口にする。
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