五匹目 レッサーパンダは 斗う!?

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すりすりすりすり……ルノの様に頬を擦り付けて来る伊織父を、ぐいっと乱暴に引き剥がす尊父。 「和泉は今日から家の子だぞ、馴れ馴れしく触るな!」 「何を言うか! 和泉はずっと家の子だ!」 ぎゃいぎゃい揉め始めたおじさんズ…… その喧騒が、居間から俺を呼ぶ声で、ピタリと止む。 「いっちゃん、お話し終わったからいらっしゃい?」 怒鳴る訳でもない、声を張り上げる訳でもないのに良く通る伊織のお母さんの優しい声に、おじさんズの攻撃から俺は救出された。 でも、手を繋がれた!! 右手を尊父、左手を伊織父が繋いで、俺を居間まで連れて行く。 後ろで、ぷっと都織が吹き出す。 「捕獲されたグレイ」 酷い…… 都織のぱか! ばかって言ってやるのも勿体無いから、都織なんかぱかで十分だい! ぞろぞろと皆で居間に行くと、兄ちゃんズが復活していた。 「いっちゃん、此方へいらっしゃい?」 にっこり微笑んで、おばさんは俺を手招く。 その横で意気消沈した、どんより暗い母さんが項垂れて座っていた。 あの母が、すっかり打ちひしがれている。 驚いた!!
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