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母さんが、酷く傷付いた顔をした。
チクッと俺の中で、刺す様な痛みが走った。
痛みがどんどん広がって……あれっ?
ぽろっと涙が溢れた。
「和泉!?」
焦った声で、母さんが俺を呼ぶ。
「俺、何で涙なんか……」
泣きながら無理に笑ったら、後ろから伊織に抱き包まれた。
「いっちゃん……」
尊が、案じる様に俺を呼ぶ。
おじさんズも、慰める様に俺の頭を撫でてくれた。
「さ――」
母さんが、急に立ち上がった。
「触らないで!!」
怒鳴りながら俺に駆け寄った母さんは、おじさんズを蹴散らし、伊織と尊を突き飛ばし、フリーになった俺を抱き締めた!!
「和泉は私のなんだから、触らないでよ!!」
ギューッと俺を抱き締める母さんの腕力が――ハンパない!!
く、苦しい……しむ……
「おばさん、おばさん、いっちゃんが死んじゃう!」
慌てた尊が、なんとか母さんを引き剥がそうとしたが、母さんは余計に力を込めて俺を抱き締めた。
あ゙、まじ、シヌ……
「綾乃、お止めなさい!!」
おばさんに怒鳴られ、漸く俺は解放された。
実の母に、絞殺され掛けたぞ?
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