五匹目 レッサーパンダは 斗う!?

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母さんが、酷く傷付いた顔をした。 チクッと俺の中で、刺す様な痛みが走った。 痛みがどんどん広がって……あれっ? ぽろっと涙が溢れた。 「和泉!?」 焦った声で、母さんが俺を呼ぶ。 「俺、何で涙なんか……」 泣きながら無理に笑ったら、後ろから伊織に抱き包まれた。 「いっちゃん……」 尊が、案じる様に俺を呼ぶ。 おじさんズも、慰める様に俺の頭を撫でてくれた。 「さ――」 母さんが、急に立ち上がった。 「触らないで!!」 怒鳴りながら俺に駆け寄った母さんは、おじさんズを蹴散らし、伊織と尊を突き飛ばし、フリーになった俺を抱き締めた!! 「和泉は私のなんだから、触らないでよ!!」 ギューッと俺を抱き締める母さんの腕力が――ハンパない!! く、苦しい……しむ…… 「おばさん、おばさん、いっちゃんが死んじゃう!」 慌てた尊が、なんとか母さんを引き剥がそうとしたが、母さんは余計に力を込めて俺を抱き締めた。 あ゙、まじ、シヌ…… 「綾乃、お止めなさい!!」 おばさんに怒鳴られ、漸く俺は解放された。 実の母に、絞殺され掛けたぞ?
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