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だがしかし、それはそれ、これはこれ、だ!
何しろ俺は、今日尊の家の子にならないと――
「焼き肉が食べられない!!」
「はっ?」
母さんの疑問なぞ、どうでもいいや!
「なので母さん、俺は今日からたけちゃん家の子になります!!」
ぷっと伊織が吹き出し、尊がじっとりと俺を見、尊父が勝ち誇った顔(所謂、ドヤ顔、だね?)して伊織父を見やるなか、ころころと鈴を転がす様に笑いながらおばさんが言う。
「綾乃、ざまあみなさい! 貴女、お肉に負けてよ?」
ガックリと肩を落とす母さんは、恨めし気に俺を見た。
「冗談はさておき、いっちゃん、決定した事を教えるわね?」
お肉で脳内を埋め尽くしながら、俺は頷いた。
「いっちゃんはたけちゃんのお家で、高校卒業まで生活する事になったわ」
おばさんは、俺に理解させようと、ゆっくりと説明してくれた。
俺が尊の家で生活するのは、自分家だとまた家事をしてしまうから、と言う事らしい。
自宅は、母さんと和美で家事をやる。
おばさんも、一切手伝わない。
俺の小遣いは、和美と同額にする。
今までの差額は今度のボーナスで、家事代行代も含めて、全額俺に支払う。
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