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支払う金額は、おばさんがきっちり計算するそうだが、幾らになるのだろう?
「俺、別に要らないよ?」
「駄目よ、いっちゃん。 親しき仲にも礼儀あり、よ。 特に綾乃は、やってはイケない差別をしたのだから、余計にちゃんとしないとね?」
シュンとする母さんをよそに、おばさんは続ける。
「和也さんのご両親が渡したお年玉分も、勿論含めます。 いっちゃんの通帳に入れておくわね?」
それから、尊の家に俺の生活費等を渡す。
俺と会う時は外、または尊か伊織の家でのみ。
自宅では、絶対会わない。
自宅だと、家事をしてしまうから。
尊の家で高校卒業まで暮らした後は、俺の好きにしてしいいらしい。
そのまま尊の家にいても良い、伊織の家に行っても良い。
但し、母さんと和美が家事を出来ないうちは、自宅に戻るのは厳禁、だって。
母さんにとって、かなり厳しい決定だけど、大丈夫だろうか?
「母さん、大丈夫? 出来る?」
心配になって訊いたら、母さんは笑った。
「頑張る!! いざとなったら、お手伝いさんを雇うわ!!」
……元気に答えた母さん、おばさんに拳骨食らった……
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