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「この調子でいくと、和泉は一生家の子だな?」
たか兄が、ぼそりと呟いた。
俺もそんな気がする……
「ダメー! 和泉は私の!」
喚く母は、自分次第と言う事がわかっているのだろうか?
でも、良かった!
俺、母さんに大切に思われていたってわかって、良かった!
和美とは姉妹みたいに仲良くやってるのに、どうも俺は避けられている様な気がしてたから、気にはなってたんだよねぇ。
でも、なんで避けられていたんだろ?
「母さん、俺の事、避けてたよね?」
訊いたら、母さんは照れた。
何故に照れる?
「だって和泉ったら、益々和也に似てきて……なんだか照れ臭かったんだもん」
……俺、息子
……父さんじゃありません!
構わず、母さんは続ける。
「和也より少し背があって、和也より痩せてて、和也みたいに出来る男じゃないけど、なんだかほわんとしたとこなんかもそっくりで……高校生の和也みたいで、照れ臭かったんだもん♪」
バチーン、と背中を叩かれ、一瞬息が詰まった!!
痛みと呼吸困難で苦しむ俺を、慌て尊が介抱してくれた。
そんな俺の隣で、やーん、と照れる母が――怖い!
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