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皆の視線を浴びて、一瞬沙織姉は怯んだ。
なんだ、どうした？
纏めて呼ぶなら、まだあるぞ？
「因みに、たけちゃんのお父さんと伊織のお父さんのおじさんズと、沙織姉・香織姉の姉ちゃんズもあるよぉー」
ちょっと自慢気に言ったら、伊織父に抱き締められてしまった！
「済まない、和泉！ 腐った娘の悪影響を、既に受け始めてしまったんだな!?」
えっ!?
俺、いつの間にか腐男子になっちゃってたの!?
「いっちゃん、違うから……」
尊が呆れながら、突っ込んで来た。
「単純に、いっちゃんの言葉が沙織姉染みて来た、と言うだけだから、安心して？」
ああ～、良かった～
えっ、でも、沙織姉染みて来たって事は、良くないんじゃないか!?
やがては……
「俺も腐っちゃう!?」
叫んだ瞬間、尊父に抱き上げられてしまった。
「和泉が腐らないうちに、撤収！」
「そうですわね、その方が宜しいわ」
賛同するおばさんに、皆も頷く。
沙織姉をその場に置き去りにして、皆でぞろぞろ玄関に向かう。
「えっ、えっ、何、何なの、私、無視!?」
一人居間に取り残された沙織姉が喚いていたが、誰も気に止めなかった。
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