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お肉だ、お肉だ、ルンルルン♪
伊織ん家で母さんと別れた後、焼き肉屋に行く前に荷物を片付ける事になり、尊の家に寄った。
尊の部屋の隣の客間が俺の部屋に決まったそうだから、迷う事なく部屋に向かい、お肉の歌を歌いながらドアを開け――立ち尽くした!!
ぼとりと、俺の手からバッグが落ちる。
動かない俺を訝しんだ尊が、
「いっちゃん、入らないの?」
訊きながら俺の背後から、ヒョイッと部屋を覗き込み――絶句した。
動かない俺達の更に背後で、兄ちゃんズが笑いを堪えているのが解るぞ。
俺の目の前に広がる室内は――
「さくら……?」
一面の桜の園?
ぷるぷる頭を振った。
目の錯覚か!?
いや、違う!!
なんと!!
うっすら柔らかい桜色の世界が、室内に広がっている!!
しかも、ひらひらレースとわしゃわしゃフリルがいっぱいだ!!
……
………
思わず俺は、ドアを閉めた。
くるりと兄ちゃんズを顧みると、大爆笑が始まった!
「諦めろ」
たか兄が言う。
「父さんは、和泉をそう言うイメージでとらえているみたいだよ?」
たく兄も言う。
2人共、ゲラゲラ馬鹿笑いしたままだ。
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