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「なんで、今更、パパなの?」
たか兄が運転する車の後部座席で、ニンマリにまにましっぱなしの、ちょっと引きたくなるおじさんを挟んで座る俺と尊。
尊がぷうっと頬を膨らませながら、ぼそりと訊く。
「ずーと、呼んで欲しかったんだぞ!」
おじさんは言う――
ちっちゃい頃はパパ、パパって甘えて来ていた尊が、いつの間にか父さんと呼び、一人称まで糞生意気に俺と言い出し、とっても寂しかったそうだ。
しかも、尊と双子みたいに(雰囲気が)似ている親友の忘れ形見(俺)は、自分をちっともパパどころかお父さんとも呼んでくれない。
(……当たり前れす……息子じゃないもの)
つまんない!
面白くない!
悲しいよぉー!!
と、いじけてた時に、降って湧いた、俺、同居の話し。
これは神様がくれたチャンスだ!!
おじさん、暴走~
唯一おじさんを止められるおばさんも居ない上に、家を空けている事にほんの少し罪悪感を持ってたおばさんが、俺が同居するなら心配が減るとばかりにおじさんの暴走を許しちゃったから、もう止まらない。
おじさん、大暴走~
っと、なったらしい。
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