六匹目 レッサーパンダは 微睡む!?

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「よし、じゃあパパが、気付けのチュウをしてや――」 「ざけんな、糞親父!!」 すかさず、おじさんにたか兄のパンチが飛ぶ。 おじさんがあっさり避けたところで、俺は再起動した。 目の前に、イケメン中年のどアップ! 「い゙っや゙ーっ!!」 叫んだ俺を、尊が瞬時に抱き寄せ、おじさんの鳩尾にすかさず蹴りを入れた!! 「「おーっ!」」 思わず兄ちゃんズが感嘆の声を発する程、蹴りは見事にクリーン・ヒットした! 「ぐっ……」 呻いて、腹を抑えるおじさんに、俺を抱き締めた尊の冷ややかな視線が向けられる。 「父さん! いっちゃんに手を出したら、許さないからね!?」 「パパ、だってばぁ、タケぇ~」 めげないおじさん、俺ごと尊を抱き締めた!! 「「やめてー!!」」 叫ぶ俺と尊を抱き締め、おじさんは頬擦り、すりすり…… 「可愛いなぁ、可愛いなぁ、2人共可愛いぞぉ~」 なんとかチュウ攻撃はかわしたが、すりすり攻撃は駄目だった。 「可愛いって、おじさん……」 「パパ!」 「……パパ、俺もたけちゃんもそれなりに背もあるし、平凡顔だし、可愛いって言葉は似合わないよ?」 うんうんと、尊も頷く。
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