六匹目 レッサーパンダは 微睡む!?

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「パパに食らわせた蹴り、すっごく格好良かった!!」 しかもこの狭い車内で、たか兄の攻撃をかわす程の強者のおじさんに、クリーン・ヒットは見事だった!! ちょっと尊敬の眼差しで尊を見詰めると、尊は……デレた。 「あんなに上手く決まるとは思わなかったんだけど――そんなに格好良かった?」 「うん、凄く格好良かった!! 悪役倒す、アニメのヒーローみたいに、格好良かった!!」 「や~、いっちゃんに誉められると、凄く嬉しいなぁ~」 真っ赤になって照れる尊と、憧れの眼差しで尊を見詰める俺に、おじさんがまたチュウ攻撃をしようとしてきたので、2人で必死に防いだ。 「パパは悪役じゃないぞー、タケと和泉がだぁい好きなとおぉっても良いパパだぞー」 くーっ、おじさん、無駄に腕力あるから、顔を押し留めるだけでも大仕事だ。 なんとかチュウ攻撃を逃れようと足掻く俺と尊に、たく兄が救いの手を差し伸べてくれた。 「父さん、それ以上しつこくすると、2人に嫌われるよ?」 仕方なさそうに、おじさんは俺達を解放してくれた。 ほっとした。
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