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おじさんの部屋を出たら、バッタリたく兄と鉢合わせした。
「和泉?」
びっくり顔のたく兄に、俺はおはようと返す。
「もしかして、今、父さんの部屋から出て来た……?」
ああ、たく兄が驚いているのは、そっちか。
「うん、おじさんに、たけちゃんと一緒に拉致られたみたいで、目が覚めたらおじさんと寝てた」
「タケも一緒なら、大丈夫か」
ほっとするたく兄。
要らぬ心配をお掛けした様だが、マジに要らぬ心配だぞ?
「たく兄、おじさんを信用しようよ~」
「和泉に関わると、父さんは信用出来ない!」
きっぱり言い切るたく兄に、俺は苦笑を浮かべてしまう。
にしても、
「たく兄、超早起き? それとも、超遅寝?」
まだ6時前だぞ?
「超遅寝の方だよ。 今日は午後出だから、今から寝る」
「朝食と昼食はどうする?」
「朝はいいや、昼は頼める?」
「じゃあ、おじさんのと用意しておくね」
「悪いね?」
ぽんっと俺の頭に手を載せると、わしゃわしゃ頭を撫でてから、お休みと言ってたく兄は自室に向かった。
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