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いつもさ、と新聞を読み、食事をしながらたか兄が話し出した。
器用だな~
「朝は自分でトースト作って、コーヒー作って、適当に食って出て行くんだけど、温かいご飯がフルセットで用意されているのって、やっぱり良いねぇ」
おばさん……怠けてたな?
「お昼はどうする? 弁当なら用意出来るけど?」
がばっと新聞から顔を上げたたか兄、
「愛妻弁当!?」
また、ろくでも無い事を口にする。
まったく、もう!
「いる、いる! 署の食堂、安いけど不味くって、いつもコンビニまで買いに行ってたから、有ると助かる!」
和泉の弁当なら凄く美味いし、と笑顔で言うたか兄が、なんだか可愛い。
「じゃあ、用意しとくね? ご飯のお代わりは?」
「こっちもいる!」
ズイッと茶碗を差し出すたか兄は、本当に美味しそうに、しかも残さず綺麗に食べてくれるから、作り甲斐が有る。
料理を作る者にとって、美味しいと言ってもらえる事と残さず食べてもらえる事が、一番の幸せだ。
家ではなかったそんな幸せが、尊ん家にはいっぱい有る。
伊織の所も、尊ん家と一緒だ。
どちらも、家族がちゃんと機能しているからだね?
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