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俺の所は、母さんも和美もスタイル気にしてあんまり食べないし、せかせかしてて味わって食べるなんてしないから、作る側の幸せを感じられなかった。
独りで食事するのなんかザラだったし。
ああ、でも、2人共、ちゃんと食事出来るんだろうか?
何しろ、作れないし。
心配だなぁ~
そう言えば……
「たか兄」
「なに?」
「伊織から聞いたんだけど」
「何を?」
「俺とたけちゃんが出会った頃、俺達気付かなかったけど虐めにあってて、たか兄やたく兄、沙織姉、香織姉が助けてくれてたって……」
「兄が弟を守るのは、当然だろ?」
新聞を畳んで、たか兄は真っ直ぐ俺を見た。
「俺もタクも、伊織も沙織・香織も、和泉とタケが大切だからな。 2人に害なす者が居たら、全員で叩き潰す――俺達はそう誓った」
兄ちゃんズ、一昨日はそんな事、一言も口にしなかったね?
「凄い、最強の守護チームだね?」
でも、と俺は続ける。
「俺もたけちゃんも、そろそろ守られる立場から卒業しないと――」
「お前達は伊織の様に無理に成長せず、自然に育ってくれ。 ゆっくりで良い」
優しい笑顔で、たか兄は言った。
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