六匹目 レッサーパンダは 微睡む!?

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俺は、探さなきゃいけない。 俺を助けてくれる人達に、俺が出来るお礼を探さないといけないんだ。 見つからないかもしれない。 それでも、探そう。 皆はお礼なんていらないって言うだろうけど、俺はお礼をしたい。 だから、探す。 いつかきっと、ありがとうの言葉と共に、俺が探したお礼を渡したい。 弁当の用意をしながら、ぼんやりとそんな事を考えていた俺は、 「うっきゃーっ!」 と言う叫び声で、現実世界に呼び戻された。 叫び声は、尊のものだ。 うん、わかる。 目覚めたらおじさんがいて、びっくらぽん、したんだね? 「いっちゃん、いっちゃん、何処!?」 で、状況把握出来なくて、取り敢えず俺に助けを求めたけど、俺が居なくてパニクった、だね? 俺を探しながらドタドタと走り回る尊が、物凄い形相でダイニングに現れたのは、叫び声から5分後だった。 バタンと開いたドア。 俺を目にとめると、尊はぶわぁっと涙を流しながら抱き付いて来た。 「いっちゃん、いっちゃん――父さんが父さんが――」 「たけちゃん、俺も拉致られて、一緒に寝てたよ?」 ぴたりと、尊は泣き止む。
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