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「……つまり?」
説明を求める尊に、お湯で濡らしたタオルで顔を拭いてあげながら、俺は簡単に説明する。
「たぶん俺もたけちゃんも、爆睡中におじさんの巣に運ばれたんだよ」
「巣?」
あ、夢が残ってた……
「ううん、気にしないで。 そのままで良いから、ご飯食べようか」
「いっちゃん起きた時、起こしてくれれば良かったのに~」
ぶーたれる尊に、俺は笑う。
「まだ6時前だったから、起こさなかったんだ」
「6時前……確かに、起こされてたら、俺、ぶちギレしたかも」
朝が弱い尊だ、そうわかっていたから起こさなかった。
因みに俺は、意外と朝も夜も強い。
どんなに遅くまで起きていても、6時頃なら目覚ましなしで起きられる。
だけど、その反動が昼にくる。
昼食後に、意識を失いそうな程、恐ろしく眠くなる時がある。
5時限目に響くので、困りものだ。
「たけちゃん、巽ーレッ――おじさんは?」
「まだ寝てる。 いただきます♪」
すっかり機嫌を直した尊、嬉しそうに食事を始めた。
俺も一緒に食べ始めた時、再度の雄叫びが黒岩邸に響き渡った。
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