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「タケ!! 和泉!! 何処に消えた!?」
「煩い!」
たく兄の怒声と共に、何かが何かに激突する物凄いガキンと言う音がした。
たく兄、尊の時は状況わかっていたから仕方ないと思って、尊が騒いでも許してくれたんだろうけど……おじさんの場合は、おじさん自体が元凶だから許さなかったんだね?
おじさん……何を投げ付けられたんだろう?
いや、無事だろうか?
いや、無事のようだ……
巽ーレックスが爆走している音と地響きが、段々近付いて来ているからね?
バタン!!――ドアをぶち壊しそうな勢いで出現した巽ーレックスは、真っ黒なマグカップ片手に鼻息荒く俺達を凝視し――ぶわぁっと涙を浮かべた。
ああ、尊と一緒。
「拐われちゃったかと思ったよ~」
号泣しながら、おじさんはその場にへなへなと座り込んだ。
「自宅で俺達を拐うのなんて、父さんしかいないよ!」
プンプン怒りながら、尊が言う。
「パパ、だ! ちゃんと呼ばないと、タケの小遣い没収だぞ」
まだ続いていたのか、パパ呼び!
尊の口から、今まさに食われようとしていた朝定セットの焼き鮭が、ポロリと皿に舞い戻っていく。
暫し、尊はフリーズする。
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