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「俺、今までも独りだったし、お――パパが用意してくれた桜部屋は、信じられない位快適で……寂しいなんて全く無いよ?」
「桜部屋?」
「満開の桜の中に居るみたいな、綺麗な部屋だから、桜部屋」
「気に入った?」
「凄く、気に入った!」
レースやフリルはちょっとアレだけど、かなり気に入ったのは事実だ。
おじさんは笑った。
心底嬉しそうに、笑った。
良い笑顔……
強面イケメンとは思えない程、ふんわり優しい笑顔だ。
ああ、尊とよく似てる。
本当に、優しい人だなぁ。
その人が望むなら、俺も恥ずかしいけどパパって呼んでいこう。
「あっ、いっちゃんも諦めた?」
食事を再開した尊が、からかう様に言う。
「諦めたじゃなくて、納得しただ。 パパ、ご飯食べる?」
「食べるよ」
おじさんに朝食の用意をし終わると、丁度たか兄が現れた。
「たか兄、弁当出来てるよ」
「おお、サンキュー」
弁当を受け取ったたか兄は、こちらもまた幸せそうな顔をして弁当を抱えて出掛けて行った。
「俺こんなに幸せで、良いのかな?」
食事をしながらつい呟いたら、2人に不思議そうな顔をされてしまった。
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