六匹目 レッサーパンダは 微睡む!?

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「俺、今までも独りだったし、お――パパが用意してくれた桜部屋は、信じられない位快適で……寂しいなんて全く無いよ?」 「桜部屋?」 「満開の桜の中に居るみたいな、綺麗な部屋だから、桜部屋」 「気に入った?」 「凄く、気に入った!」 レースやフリルはちょっとアレだけど、かなり気に入ったのは事実だ。 おじさんは笑った。 心底嬉しそうに、笑った。 良い笑顔…… 強面イケメンとは思えない程、ふんわり優しい笑顔だ。 ああ、尊とよく似てる。 本当に、優しい人だなぁ。 その人が望むなら、俺も恥ずかしいけどパパって呼んでいこう。 「あっ、いっちゃんも諦めた?」 食事を再開した尊が、からかう様に言う。 「諦めたじゃなくて、納得しただ。 パパ、ご飯食べる?」 「食べるよ」 おじさんに朝食の用意をし終わると、丁度たか兄が現れた。 「たか兄、弁当出来てるよ」 「おお、サンキュー」 弁当を受け取ったたか兄は、こちらもまた幸せそうな顔をして弁当を抱えて出掛けて行った。 「俺こんなに幸せで、良いのかな?」 食事をしながらつい呟いたら、2人に不思議そうな顔をされてしまった。
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