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「たけちゃん家、暖かくって楽しくって、居るだけでほんわか幸せな気分になれて……俺だけ幸せで、良いのかなって……」
気になるのは、勿論自宅の事。
母さんと和美の事。
ちゃんとご飯食べてるかな?
洗濯、出来たかな?
掃除はなんとか誤魔化せても、流石に食事と洗濯は誤魔化せないからなぁ~
「和泉」
おじさんが、優しく俺を呼ぶ。
「和泉はもっと年相応に、遊んだり学んだりした方が良いぞ?」
「そうだねぇ、いっちゃんてば家事は完璧だけど、15歳としては落第してるもんね?」
ガーン、だ!!
「俺、15歳失格!? あっ、でも来月16になるから大丈夫か」
と言ってほっとしてたら、尊にぺちっと手の甲を叩かれた。
「そう言う問題じゃないでしょ、もう!」
「気にするなと言うのは無理だろうが、今度からはもっと自分の事を優先させろ」
「うん、なんとかやってみる」
答えた俺の頭を撫でたおじさんが、そう言えばと俺と尊の顔をじっと見詰めた。
「昨日から気になってたんだが……なんで2人共青デコなんだ?」
青デコ……?
思わず顔を見合わす俺と尊は、あっ!、と声を上げた。
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