六匹目 レッサーパンダは 微睡む!?

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すっかり忘れていた、空缶激突たんこぶ事件!! 長い…… 美人女将湯けむり殺人事件、喪服の美女は見ていた!!――みたいなノリだ。 尊のおでこを見ると、青と紫の痣がくっきり残っている。 つまり、俺も同じって事だろう。 痛みがないから、本当に忘れてた。 あっ、でも触ると痛いや。 「んーとね、空缶が当たったんだ」 尊が答えると、おじさんの顔が厳しくなった。 「まさか、虐めじゃ無いだろうな?」 虐めだったら、学校に乗り込んでやる、そんな勢いだ。 犯人は伊織です、とも言えないし…… 「違う違う、ちょっとした事故だから」 慌てて誤魔化す尊は、流石におじさんの扱いを心得ている。 「本当か?」 こくこく頷く俺達に、半信半疑ながらもおじさんは納得してくれた様だ。 だが、おじさんもただでは引かない。 「休んで、医者に行くぞ」 なんて事を言い出した! 「やだ!!」 きっぱりと答えたのは――俺! 俺は、医者とか病院が大嫌いだ!! 「絶対行かない!!」 「いっちゃんのお医者さん嫌いは、どうしようもないねぇ~」 尊のぼやきに合わせて、困ったもんだ、とおじさんも言う。
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