六匹目 レッサーパンダは 微睡む!?

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「自分の母親が医者なのに、なんで和泉は医者が嫌いなんだ?」 呆れ顔のおじさん。 そう、母さんは医者だ。 専門は内科。 だから、ちょっとした風邪とかなら母さんで十分、態々病院に行く必要が無い。 流石に怪我した時は行かなきゃ駄目なんだけど、泣いて嫌がって駄々捏ねる俺に母さんも折れて、友人の外科の先生に頼んで自宅で診てもらうと言う時もあった。 それだって、俺は嫌だった。 でも死んじゃうからと脅され嫌々診てもらったんだ、白衣を着ない条件を出して。 「学校の保健室や保健医とか養護教諭は平気なのに、変ないっちゃん」 「だって、お医者さんと言うより、学校の先生でしょ?」 「屁理屈ぅ~」 屁理屈だって、良いんだよ。 「医者に連れて行ったら、パパ大嫌いになるからね!」 「それは嫌だ」 とっても困り顔のおじさんだが、これだけは絶対に譲らないからね!! 「わかった……ただ酷くなるようなら、気絶させてでも連れて行くぞ?」 「そんな事したら、俺出てく!!」 「!?」 珍しい俺の反抗に、おじさんは青くなった。 「わかった、無理強いしないから、出てくなんて言うな〰」 懇願された。
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