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「自分の母親が医者なのに、なんで和泉は医者が嫌いなんだ?」
呆れ顔のおじさん。
そう、母さんは医者だ。
専門は内科。
だから、ちょっとした風邪とかなら母さんで十分、態々病院に行く必要が無い。
流石に怪我した時は行かなきゃ駄目なんだけど、泣いて嫌がって駄々捏ねる俺に母さんも折れて、友人の外科の先生に頼んで自宅で診てもらうと言う時もあった。
それだって、俺は嫌だった。
でも死んじゃうからと脅され嫌々診てもらったんだ、白衣を着ない条件を出して。
「学校の保健室や保健医とか養護教諭は平気なのに、変ないっちゃん」
「だって、お医者さんと言うより、学校の先生でしょ?」
「屁理屈ぅ~」
屁理屈だって、良いんだよ。
「医者に連れて行ったら、パパ大嫌いになるからね!」
「それは嫌だ」
とっても困り顔のおじさんだが、これだけは絶対に譲らないからね!!
「わかった……ただ酷くなるようなら、気絶させてでも連れて行くぞ?」
「そんな事したら、俺出てく!!」
「!?」
珍しい俺の反抗に、おじさんは青くなった。
「わかった、無理強いしないから、出てくなんて言うな〰」
懇願された。
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