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「なんで和泉は、そんなに医者嫌いなんだ?」
ん゙ー、なんでだろ?
「わかんないけど、嫌いなの!」
「知り合った時はもう、徹底した医者嫌いだったよね~」
天井を上目遣いに見遣りながら、思い出した様に尊が言う。
「仕方ない、一応保健室で診てもらうんだぞ?」
「うん」
取り敢えず、おじさんは折れてくれた。
おじさんの気が変わったりしないうちに、さっさと食事して学校に逃げようっと。
なんて考えていたら、弁当用の飲み物を作り始めた尊に、ちらりと見られた。
脱出作戦がバレたようだ!
でも、尊は黙ってくれていた。
あっ、今日はアップル・ティーだな?
りんごの良い香りがする。
俺も片付けて、おじさんとたく兄の昼食をセットしとかなきゃ。
「お昼は冷蔵庫に入れてあるから、温めて食べてね? たく兄の分もあるから」
「んー、わかった」
お茶を飲みながら新聞を読み出したおじさん、曖昧に返事を返してきた。
こう言う時のおじさんは、当てにならない。
危ないから、たく兄宛にメモを置いておこう。
よし、後は登校準備だ!
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