六匹目 レッサーパンダは 微睡む!?

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まるで 『山嵐のジレンマ』 だな。 病院よりは、和美の方がマシだ。 きっと。 そう祈るしかない。 携帯を閉じようとして、おや?、と気付く。 覚えのないメールが、俺の携帯から送信されている。 宛先は……南? なんで俺の携帯から、南の携帯にメールが送られているんだ? あれ、しかもこのメール、何か添付してる。 何を? 写真? 「あっ!」 南のヤツ、やりやがったな!! 添付されていたのは、昨日俺が写メった中谷と鹿野の写真だ。 「あの時か!」 南が俺と尊の携帯にアドレスとか入れてた時、南のヤツ、中谷と鹿野の写メを抜いたんだな。 あいつー、本当に最低ー! くーっ、なんてヤツだ! 「いっちゃん、行くよ?」 独りぷんすか怒っていたら、尊に促された。 「たけちゃん、聞いてよ!」 「あー、ハイハイ、時間ないから、歩きながらね?」 尊お母さんは、俺の肩を押しながら言う。 尊、冷たい…… 俺、いじけちゃうぞ? 「送ろうか?」 玄関で見送るおじさんが、ありがたい申し出をしてくれた。 「近いんだから、いらない」 きっぱりと、尊お母さんは断った。 ふにゃぁ~
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