一匹目 レッサーパンダは 来る!?

26/39
前へ
/3000ページ
次へ
黒板前に立つ中谷は、チョークを片手に コホン と軽く咳払いをして、体育座りで中谷を見上げる俺達に語り始めた。 「成瀬君と黒岩君は、今の自分達が置かれている立場は、どう理解しているのかな?」 「「どうって……」」 尊と顔を見合せ、互いに渋い顔をした。 昼休みに判明した訳だが、俺達はどうやら 『伊織のペット』 として、周囲に認識されているらしい。 今までは、何処にでも居る普通の高校生、ぐらいにしか思われてないだろうって考えていたけど…… いやいや、和美と双子ってだけでも、変わった目で見られていたっけ…… 更に幼馴染みが伊織で……何て言うか、身内や尊以外の親しい人達もみんな美形で…… アレ、俺ってもしかして……ちょっと可哀想な奴……? 等と考えながら尊を見つめていると、鏡を見ている様に尊の表情が俺と同じように変わっていく。 ああ、そうだよ、尊の家族も家と同じで尊以外は美形だっけ…… 強面系の凛々しく整った顔で大柄なおじさんと、おじさんそっくりな容姿のお兄さん達、おばさんは小柄だけどふんわり可愛い系で……尊は平凡な母方の祖父似だそうだ。
/3000ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1077人が本棚に入れています
本棚に追加