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黒板前に立つ中谷は、チョークを片手に コホン と軽く咳払いをして、体育座りで中谷を見上げる俺達に語り始めた。
「成瀬君と黒岩君は、今の自分達が置かれている立場は、どう理解しているのかな?」
「「どうって……」」
尊と顔を見合せ、互いに渋い顔をした。
昼休みに判明した訳だが、俺達はどうやら 『伊織のペット』 として、周囲に認識されているらしい。
今までは、何処にでも居る普通の高校生、ぐらいにしか思われてないだろうって考えていたけど……
いやいや、和美と双子ってだけでも、変わった目で見られていたっけ……
更に幼馴染みが伊織で……何て言うか、身内や尊以外の親しい人達もみんな美形で……
アレ、俺ってもしかして……ちょっと可哀想な奴……?
等と考えながら尊を見つめていると、鏡を見ている様に尊の表情が俺と同じように変わっていく。
ああ、そうだよ、尊の家族も家と同じで尊以外は美形だっけ……
強面系の凛々しく整った顔で大柄なおじさんと、おじさんそっくりな容姿のお兄さん達、おばさんは小柄だけどふんわり可愛い系で……尊は平凡な母方の祖父似だそうだ。
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