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「李杜、売らないでよ?」
クッキーで儲けられては堪らない、一応釘をさしてから、2人にクッキーを手渡す。
「ラッキー♪ 李杜が売らない様に見張っておくから」
クッキーを受け取り、神崎はにこやかに言う。
南は無言で受け取る。
不満有り、ってところだろう。
やっぱり売り捌く気だったな?
先に釘をさして、正解だ。
「俺達、保健室に寄って行くから」
尊がくいっと俺の腕を引いて、2人に言う。
「なら、教室に荷物運ぼうか?」
なんだか大荷物だし、と神崎が言ってくれた。
神崎って、親切だな。
「じゃあ、これ、お願い」
お礼のクッキーを追加で渡し、弁当の入っている袋を神崎に預けた。
「了解」
じゃあね、と神崎は教室に向かったが、何故か南は残っている。
「あれ~、み、李杜は行かないの?」
尊の問い掛けに、南は苦笑う。
「取り敢えず、付いて行く」
?
何で?
まあ、いいか。
「けどたけちゃん、保健室に行っても、堕天女居るの?」
今は職員会議中じゃないだろうか?
「『環ちゃん』て呼べって厳命された……」
疲れた顔で尊は言う。
環ちゃんって、何考えてんだ?
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