七匹目 レッサーパンダは 躍る!?

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「保健室を自由に使える代わりに、2人のアドレスと電話番号を教えた」 それって、やって良いのか!? 許されないだろうが、学校施設の私物化及び個人利用は!? しかも、一生徒の個人情報を手に入れる為に使うなんて、先生がやったら駄目だろうがーっ!! 独り憤る俺の横で、尊が溜め息をついた。 「あ~、環ちゃんならやるねぇ、何でも有り、だものねぇ~」 えっ、尊、納得? えっ、許しちゃうの? マジ? 「いっちゃん、人間、時には流される事も必要だよ?」 流されて良い事か!? 駄目駄目だろう!? 「いっちゃん、長い物には巻かれるもんだよ」 ……尊お母さん、それは悪いお手本ではないでしょうか……? 「……たけちゃん、権力に負けた?」 「いっちゃんを守る為に、大いに権力を利用する事にしただけだよ」 にっこ、と笑って答える尊が、腹黒い人に見えてくる。 「たけちゃんが、たけちゃんが――黒い!?」 「いいの、いっちゃんは気にしないの」 やる気満々な尊お母さん、だ、大丈夫か!? 「利用した権力に、逆に利用されない!?」 心配する俺に、尊はやっぱりにっこと笑い掛ける。
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