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「保健室を自由に使える代わりに、2人のアドレスと電話番号を教えた」
それって、やって良いのか!?
許されないだろうが、学校施設の私物化及び個人利用は!?
しかも、一生徒の個人情報を手に入れる為に使うなんて、先生がやったら駄目だろうがーっ!!
独り憤る俺の横で、尊が溜め息をついた。
「あ~、環ちゃんならやるねぇ、何でも有り、だものねぇ~」
えっ、尊、納得?
えっ、許しちゃうの?
マジ?
「いっちゃん、人間、時には流される事も必要だよ?」
流されて良い事か!?
駄目駄目だろう!?
「いっちゃん、長い物には巻かれるもんだよ」
……尊お母さん、それは悪いお手本ではないでしょうか……?
「……たけちゃん、権力に負けた?」
「いっちゃんを守る為に、大いに権力を利用する事にしただけだよ」
にっこ、と笑って答える尊が、腹黒い人に見えてくる。
「たけちゃんが、たけちゃんが――黒い!?」
「いいの、いっちゃんは気にしないの」
やる気満々な尊お母さん、だ、大丈夫か!?
「利用した権力に、逆に利用されない!?」
心配する俺に、尊はやっぱりにっこと笑い掛ける。
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