七匹目 レッサーパンダは 躍る!?

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「はーい、いらっしゃーい♪」 明るく俺達を出迎えた堕天――小田切先生は、あら、と言って俺に顔を近付けた。 むっ、嗅ぎつかれたか? 警戒する俺に、先生は天女の笑みを投げ掛ける。 「クッキーかしら? いっちゃん、良い香りね?」 くーっ、バレたか! くそー、諦めるしかないようだ。 クッキーを1袋手渡して、 「先生、鼻がきくねぇ」 そう言ったら、鼻を摘ままれた。 「環ちゃん、よ」 環ちゃんって年じゃな……やだ、先生、マジ睨みしてくる…… 考え、読まれた! 命狙われてる気分…… スナイパーか!? 某スナイパーを真似て、『環 28』、これは怖い〰 よし俺も、尊お母さんの教え通りに、長い物に巻かれるか。 命、惜しいし。 「環ちゃん、預かり物してくれる?」 長い物に巻かれた俺は、先生に2つの紙袋を見せる。 「良いけど、なーに、それ?」 「こっちは、お昼のデザート。 保健室の冷蔵庫に入れておいてもらいたいの、んでお昼の時に持って来て欲しいんだ」 「わかったわ」 頷いた先生は、なんでかちょっと嬉しそう。 そんなにデザート、欲しかったんだろうか?
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