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「で、こっちのは、昼までに取りに来るから」
誰が、とは言わない。
南にバレたくないし、内緒って約束させちゃったし……
そう、これは佐伯の弁当だ。
これ位あれば、足りるだろう。
部活後用に、パンも付けてあげた。
尊の家は、調理器具がかなり充実している。
先日までは無かったホームベーカリーがあったから、つい面白くてフルーツパンを作ってみたら、なかなか美味しくて――
で、作り過ぎてしまったので、佐伯にオマケした。
明日は土曜で休みだから、明日の昼用に先生にもあげるつもりだ。
因みに佐伯には、南が入れたアドレス使って保健室に弁当がある事をメールで伝えといたし、好きな時に取りに来るだろう。
「さぁて……」
先生が、俺と尊のおでこに触れる。
「んー、見事な色合いだけど、大丈夫そうね」
ペタリ、と湿布を貼られた。
「本当はちゃんと病院行った方が良いのだけど、しょうが無いわね」
「病院連れて行ったら家出するって、いっちゃん言うんだよ~」
困ったもんだ、と尊お母さんは言う。
「和泉は病院嫌い、と」
南が、何やら携帯に打ち込んでいる。
なんか、悔しいぞ!
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