七匹目 レッサーパンダは 躍る!?

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「で、こっちのは、昼までに取りに来るから」 誰が、とは言わない。 南にバレたくないし、内緒って約束させちゃったし…… そう、これは佐伯の弁当だ。 これ位あれば、足りるだろう。 部活後用に、パンも付けてあげた。 尊の家は、調理器具がかなり充実している。 先日までは無かったホームベーカリーがあったから、つい面白くてフルーツパンを作ってみたら、なかなか美味しくて―― で、作り過ぎてしまったので、佐伯にオマケした。 明日は土曜で休みだから、明日の昼用に先生にもあげるつもりだ。 因みに佐伯には、南が入れたアドレス使って保健室に弁当がある事をメールで伝えといたし、好きな時に取りに来るだろう。 「さぁて……」 先生が、俺と尊のおでこに触れる。 「んー、見事な色合いだけど、大丈夫そうね」 ペタリ、と湿布を貼られた。 「本当はちゃんと病院行った方が良いのだけど、しょうが無いわね」 「病院連れて行ったら家出するって、いっちゃん言うんだよ~」 困ったもんだ、と尊お母さんは言う。 「和泉は病院嫌い、と」 南が、何やら携帯に打ち込んでいる。 なんか、悔しいぞ!
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