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「いっちゃん、親しくならないと表情見せないから、そんな評価されるんだよ」
えっ!?
じゃあ、普段の俺って……
「以心伝心が必要ない程、顔で喋ってるね」
俺通の尊が言うんだから、間違いないんだろう。
間違いないんだろうけど……
「尊や伊織、新田とかと喋ってる時は、モロ顔で喋ってるぞ」
南にまで言われた。
「そう言えばいっちゃんのファンは、普段愛想無いのに親しい相手には蕩ける程の表情を見せる、そのギャップが堪らないって言う子が結構居るそうね」
人差し指を顎に当て、悩ましい仕草で先生が言った。
けど……
蕩けるって、なに!?
もしかして、あれか、都織がきしょいって言う顔か!?
えっ、えっ、なに!?
「俺って、顔面語り!?」
「がんめんがたりって……」
思わず叫んだ俺に、尊が軽い突っ込みを入れてくる。
「そんな言葉ないよ、いっちゃん」
ショックから抜けきれない俺は、そんな尊の声さえ耳に入らない。
「しかも、きしょい顔面語り!?」
「だからいっちゃん、そんな言葉ないってばぁ~」
俺の頭の中は、ぐるぐる回転中――とっまりませーん!
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