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南は、酷く苦々しい顔をしていた。
なんだ?
俺を捕縛している人物が、苦手なのか……?
南程の奴が苦手に思う相手って、いったい……
俺はそろりと、背後の捕縛者を見上げる。
……イケメンだ……
何となく、兄ちゃんズに近い感じのイケメン。
つまりは、強面系のイケメンってやつだ。
たく兄の方に近いかな?
不良さん?
んー、でも、制服は着崩していないし、髪だって染めて無い普通の黒髪だし……
知的な感じもするし……
けど、存在感がハンパないぞ!
リア充四天王に並ぶオーラを放ってる!
でも、誰だろ?
「どちら様で御座いますか……?」
尋ねた瞬間、背後のイケメンはー―放心した様な顔になった!!
あの、あれね、ポカーン、って顔。
そして、なんでか時間が止まったみたいに、シーンとしてる。
無言、無動だ。
やがてクスクス笑い出す先生の声で、時間が動き始めた。
「いっちゃんたら、ちょっと頂けないジョークね」
笑顔で先生に言われたが、ジョークって何の事?
俺が首を傾げると、溜め息混じりに南が口を開いた。
「先生……和泉、マジみたいだぞ」
マジって?
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