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「いっちゃん……マジ?」
復活した尊が、恐る恐る訊いてきた。
「マジって、なに?」
訊き返したら、どひゃっと叫んで、尊がびっくりポーズをとる。
仰け反って、大袈裟に両腕上げ広げる、変な格好。
何故に驚く?
目が点になってた捕縛者が、ふいっと表情を戻した。
「成瀬――和泉だったよな?」
やっぱり低ーい声で、捕縛者は訊いた。
おー、俺の名前を知っていてくれるとは、なかなか好人物だぞ。
ところで、本当に誰だろ?
初見だぞ?
「いっちゃん、間違えてるよ?」
えっ、何が?
首を捻ったら、突然南が爆笑し始めた。
「う、上杉、お前の存在無かった事になってるぞ!!」
腹を抱えながら大爆笑して南が言うと、上杉と呼ばれた捕縛者は、チッと舌打ちして俺の顔にそのデカイ手を向けた。
かと思うと、顔を掴まれてぐりっと上杉の方に、無理矢理顔を向けさせられた。
真っ直ぐに見据えられ、ちょっと恥ずかしい〰
しかもイケメンの目力ハンパない、射抜く様に見据えられ、寒気がしてくる。
「本当に、俺を知らないのか?」
問われた俺は、素直に頷いて肯定した。
上杉がドデカイ溜め息をついた……
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