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「上杉君、ちゃんと授業に出ないから、いっちゃんに認識してもらえないのよ」
先生に言われた上杉は、ガックリと項垂れた。
……呼び捨てにしてるけど、先輩とかじゃないよね?
先輩だったら、どうしよう!
「いっちゃん、違うから大丈夫だよ」
ホッとする尊の言葉に安心していると、まだ馬鹿笑いしている南が説明をしてくれた。
「そいつは 上杉 孝哉(ウエスギ コウヤ)、一応クラスメートだぞ」
「へっ!?」
嘘、クラスメート!?
「見た事ないよ!?」
「たまーにしか姿見せないから、金魚鉢認識の和泉の視界に入んないんだよ」
当然だろ、と南が言う。
金魚鉢認識って、なに?
「和泉は自分の認識出来る距離に居る人間にしか興味を示さない、その認識出来る距離が金魚鉢程度しかないって事だ」
そんな狭くないよー!!
いや、それよりも、
「本当にクラスメート!?」
改めて上杉に訊いたら、苦ーい顔して頷かれた。
「上杉君、時々だけど授業にも出てるし、俺も教室で喋った事有るよ?」
更に付け加えられる、尊の証言。
上杉がクラスメートと言うのは、どうやら事実らしい。
なんてこった!!
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