1078人が本棚に入れています
本棚に追加
「ごめん」
知らなくて……
謝ったら、余計に苦い顔をされた。
ぶっ、と吹き出して、南がまたまた馬鹿笑いする。
「ざまあ!! すかした顔して授業拒否なんぞしてるから、クラスメートに顔を覚えてもらえないんだよ!!」
南~、上杉には容赦無いなぁ。
ただでさえ遠慮を知らない南が、上杉には恐ろしく無遠慮だぞ。
上杉って――
「登校拒否?」
「登校してるだろうが!!」
べしっと、上杉に頭を叩かれた……
痛い……
「ちょっと上杉君!! 家のいっちゃんに、何してくれてるの!?」
叩かれた頭を押さえる俺を、尊お母さんがぷりぷり怒りながら、上杉から引き離した。
「まったく、もう! みんなして家のいっちゃんにちょっかい出すんだから、止めてよね!!」
尊お母さんが、ぶつくさ言い出した時、余鈴がなり始めた。
「黒岩って、そう言うキャラだったか?」
ぼそりと呟く上杉。
「いっちゃんに関する時だけ、俺は変わるんです!!」
べーっと上杉に舌を出して、きっぱりはっきり尊お母さんは言う。
「さ、いっちゃん、授業拒否児童なんか無視して、教室に行こうね?」
はい、尊お母さん。
最初のコメントを投稿しよう!