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「児童……」
上杉は、どうやら児童と言う言葉が気に入ったらしい。
なんだか知らないけど、児童児童と低く呟きながら、徐々にニマーッと笑みを浮かべていく。
「「こわっ!」」
思わず叫んで、上杉から身を引く俺と尊。
そして容赦ない、南の鋭い突っ込み!!
「貴様、気持ち悪いわ!!」
バキッと言う音と共に、南の拳が上杉の頭に落とされた!!
「ってーな、手加減しろよ、李杜のアホ」
たいして痛くもなさそうに、殴られた頭を擦りながら文句を言う上杉。
母さんみたいだ。
いや、それよりも、上杉ってば南の事を名前呼びだぞ?
「あっれー?」
尊も気付いたらしい。
南と上杉を交互に見ながら、
「2人は仲良し?」
と訊いた。
直後、
「違う!!」
「そうだ」
異なる返事が同時に発せられた。
「こんな奴と友達なぞ、世界が滅んでも御免だ!」
「照れんなよ、嬉しいじゃないか」
噴火しそうな程に怒る南に対し、訳の解らない変な笑顔と会話の上杉。
……異種生命体が、二匹。
南と上杉は、ぎゃいぎゃい噛み合わない会話を続けている。
ほっとこう!
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