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俺は小振りの紙袋を、先生に差し出す。
「なぁーに、これ?」
小首を傾げる先生は、うん、見た目はやっぱり美人だ。
「明日のお昼」
「えっ!?」
がさっと紙袋を開けた先生が、中のパンを一つ取り出し――うるうるしながら俺を見た。
「いっちゃん……」
先生は声を詰まらせる。
「いっちゃん、貴方って、貴方って――天使よ!!」
俺に抱き付こうとした先生を、尊が止める。
「あー、はいはい、時間ないからね」
「えー、たけちゃんノリが悪いわよ~」
「本鈴鳴っちゃうもの、環ちゃんと遊んでられないよ」
俺達足遅いし、と尊は言う。
確かに!
小走りで行かないと、SHRに間に合わないぞ!
「環ちゃん、日曜日分はないけど、大丈夫?」
「大丈夫、正義にたかるから♪」
にこやかに、先生は答える。
クッキー(担任)、お気の毒。
「いっちゃん、行くよ?」
嬉しそうにパンを抱き締める先生と、まだ言い争っている異種生命体二匹をそのままに、俺と尊は教室に急ぐ事にした。
急いで(俺達的に)保健室を出た瞬間、またもや背後から荷物の様に抱えられてしまった!
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