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「上杉は尊な?」
俺を小脇に抱えた南が、そう上杉に指示を出す。
「おう」
答えた上杉が尊を抱えると同時に、2人はダシュで走り出した。
速い、速い!
人一人抱えているというのに、この2人、恐ろしく速い!
しかも、息が合ってる!
南は否定したが、この2人、間違いなくかなり親しいとみた!!
なんて考えているうちに、俺達のクラスがある階まで来ていた。
はやー!
だが、不味い方に辿り着いたぞ。
この北校舎は他の校舎同様、両端に階段がある。
一階は職員室やら教師関係の部屋が有り、二階は1年F組からJ組の教室が有り、三階に1年A組からE組が有る。
で、今俺達が居るのは、A組から一番離れた、A組とは反対側の階段の傍。
E→D→C→B→A、と各クラスの前を進まなければ辿り着けない訳で、不味い事に俺はおやつのチョコチップ・クッキーを持っている。
あっ、さっそく嗅ぎ付けた奴が、E組の教室から出て来たぞ!
「李杜、上杉! 突破じゃ!!」
「「お? おう!」」
俺の指示に2人が従う前に、敵は俺の腕を掴んで来た。
くーっ、遅かったか!
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