七匹目 レッサーパンダは 躍る!?

20/48
前へ
/3000ページ
次へ
「廊下を走るな!! お菓子は持ち込むな!!」 そう言いながら俺の前に手を差し出したのは、E組の担任様だ。 「教師がカツアゲするのは、許されるのか!?」 「カツアゲじゃないだろ、没収だ」 しれっと返すE組担任に、俺は渋々クッキーを1袋献上する。 この調子で、各クラスの担任にクッキーを没収されながらやっとA組に辿り着いた俺達だった。 そう、俺のおやつを狙っているのは、教師と言う名のカツアゲさん達だ。 唐揚げなら美味しいのに、カツアゲじゃ食べも出来ない。 そして、カツアゲさんのラス・ボス――我がA組担任・日下部ことクッキーの登場だ!! 「はい、4人共遅刻な」 と言って、手を差し出した。 南に抱えられたまま、俺は事情を説明しようとしたが、 「保健室に行ってた――」 「みっとめませーん」 あっさり拒否られた。 落ち込む俺。 張り切る尊お母さん。 上杉に抱えられたまま、すちゃっと携帯を取り出した尊が、クッキーを見詰めて――にまぁっと笑った。 尊は誰かに電話を掛ける。 「あっ、環ちゃ――」 真っ青になったクッキーが、慌てて携帯を奪い、乱暴に切った!!
/3000ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1078人が本棚に入れています
本棚に追加