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「廊下を走るな!! お菓子は持ち込むな!!」
そう言いながら俺の前に手を差し出したのは、E組の担任様だ。
「教師がカツアゲするのは、許されるのか!?」
「カツアゲじゃないだろ、没収だ」
しれっと返すE組担任に、俺は渋々クッキーを1袋献上する。
この調子で、各クラスの担任にクッキーを没収されながらやっとA組に辿り着いた俺達だった。
そう、俺のおやつを狙っているのは、教師と言う名のカツアゲさん達だ。
唐揚げなら美味しいのに、カツアゲじゃ食べも出来ない。
そして、カツアゲさんのラス・ボス――我がA組担任・日下部ことクッキーの登場だ!!
「はい、4人共遅刻な」
と言って、手を差し出した。
南に抱えられたまま、俺は事情を説明しようとしたが、
「保健室に行ってた――」
「みっとめませーん」
あっさり拒否られた。
落ち込む俺。
張り切る尊お母さん。
上杉に抱えられたまま、すちゃっと携帯を取り出した尊が、クッキーを見詰めて――にまぁっと笑った。
尊は誰かに電話を掛ける。
「あっ、環ちゃ――」
真っ青になったクッキーが、慌てて携帯を奪い、乱暴に切った!!
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