七匹目 レッサーパンダは 躍る!?

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「く、黒岩ー! いつからお前は、そんな恐ろしい子になったんだー!」 クッキーが叫ぶ。 「昨日から」 クッキーから携帯を奪い返し、尊お母さんは悪びれずに答える。 「くーっ、なんてこった!」 クッキーは頭を抱えた。 暫し悩んで、決めたようだ。 「良し、クッキー2袋で手を打つ!」 権力に屈する、と。 結局、奪われるのか…… 南に離してもらった俺は、嫌々クッキーにクッキーを2袋渡した。 ホクホク顔のクッキー。 「よーし、席に着け、始める……ぞ……!?」 クッキーは、やっと上杉の存在に気付いたらしい。 まじまじと上杉を見詰め、まだ抱えられている尊に視線を移すと、 「黒岩、お前本当にどうした!? 『保健室の亡霊』を引っ張り出して来るなんて、凄いぞ!?」 感心しきって、尊を誉め出した。 保健室の亡霊? 上杉は教師陣に、そんな呼ばれ方をしているのか。 つまりは、そう呼ばれる程保健室に居て、教室に姿を現さない訳だな? だったら、 「俺が知らなくても――しょーがないじゃないか!!」 つい叫んだ俺に、教室内全ての視線が集まってしまった!
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