七匹目 レッサーパンダは 躍る!?

25/48
前へ
/3000ページ
次へ
やってみるか! 「待て!」 2人の眼前に掌を向けて俺が声を上げると、2人は不思議そうに俺を見下ろした。 よし、上手くいきそうだ。 俺は手を2人の胸元まで下げて、掌を上向きにする。 「お手!」 条件反射!? 犬じゃないとか怒り出すかなと思ったのに、2人は素直に掌に手を載せてきた!! …… さすがに俺も、やっておきながらドびっくりだ!! 仕方ない、このままのノリでいくか。 「良し!」 俺は2人に、クッキーを1袋づつ渡す。 佐伯が嬉しそうに、ニコッと笑った。 上杉は不思議そうにクッキーを持ち上げ、くんっと匂いを嗅ぐと、ふにゃりんとした笑顔になった。 よし、餌付け成功だ。 「ハウス!」 仕上げとばかりに命じると、2人は嬉しそうにクッキーを見詰めながら、それぞれの席に歩いて行った。 ふう、ミッション終了。 俺が椅子に腰を下ろした直後、 「「「おおーっ!!!」」」 沢山の感嘆の声と共に、拍手が沸き起こった。 やー、照れるなぁ~ 「猛獣の餌付けが済んだところで、出席とるぞー!」 出席簿を開きながら言ったクッキー、ちょっと考えて出席簿を閉じる。
/3000ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1078人が本棚に入れています
本棚に追加