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仕方なさそうに、クッキーが言う。
「来月初めに、課外活動のハイキングがあるから、って事だ」
わかったか、と念を押してくる。
「ハイキング?」
「まあ、軽い山登りだがな」
「無理、倒れる!」
「全員強制参加だから、欠席は不可、だ」
うへぇ、マジですか!?
「上杉ぃ、お前も参加だぞ」
クッキーに言われた途端、上杉のあの低ーい声がする。
「不参加」
……やっぱり?
だがクッキーも、担任としてさすがに退かない。
「全員強制参加!」
「不参加」
参加、不参加で揉め始めた2人に、クラス委員長の南が口を挟んできた。
「上杉、成瀬と黒岩も参加するぞ?」
ピタリと止む、くだらない言い争い。
上杉がじーっと、俺と尊を見詰めてくる。
因みに上杉の席は、不良さんの指定席と言われる、窓側の最後尾だ。
俺とは、最も遠い席。
対角線上の最端に位置するが、あそこって……空いてたのか、知らなかった。
フッと視線を外した上杉は、そのままクッキーに視線を移動する。
「参加する」
低ーい上杉の答えに、教室内がざわめきに包まれた。
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