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「こうちゃん……喧嘩はスポーツじゃないよ?」
そう言って苦笑すると、上杉は不思議そうな顔をした。
その顔のまま、俺と尊をじっと見詰める。
「怖がんないのか?」
凄く不思議そうに、ぼそりと訊いてきた。
思わず顔を見合わす、俺と尊。
喧嘩って言われた位で、
「怖いって、無いよねぇ?」
「無いよねぇ~」
さすがに現場を見るとなるとひくけど、言葉位じゃ怖くも何とも無い。
第一俺達の傍には、
「「もっと凄いの、身近に居るし!!」」
尊と声を合わせて断言したら、2人揃って上杉に抱き締められてしまった!!
「俺も!」
そして何故か、佐伯まで抱き締めてくる!!
「「うぎゃー!! 潰れるー!!」」
妖怪ぬりかべに、サンドイッチにされている気分じゃー!!
「「お助けをー!!」」
何の罰ゲームだぁー!?
「猛獣共、手加減を覚えろ、2人が使い物にならなくなる」
ひんやり無慈悲な伊織の言葉に佐伯のみならず、上杉までも大人しく従った。
でも、完全には離れない。
ホッと息つく俺と尊の腕を、上杉はがっちり掴んで離さない。
それに気付いた佐伯も、空いてる腕を掴んだ。
どうしろと……?
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