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『だから今回の奇跡も、和泉と言う媒体が多大なる作用をし、普通では有り得ない数々の奇跡をまき起こしたんだ』
へぇ~と、皆で感心して俺を見る。
ちょ、ちょっと照れる。
『和泉はね、神様お気に入りの変わり種だから』
え、俺、神様のお気に入りなの?
『そうだよ~』
父さんはちっさな両手で、俺の頬を挟む。
『だから、「時」までも和泉に味方して、何度も和泉を救ってくれたんだ』
え?
「どう言う意味よ、今の台詞」
ガッと再び父さんを掴んで、和美が険しく問い質す。
「今のおじさんの台詞だと、和泉は何度も危ない目に合っているみたいだな」
今回だけでなく、と伊織が言う。
うん、そんなニュアンスだったよね、父さんの言い方。
『え、だって和泉ったら、何度もあの世に足を突っ込み掛けてたじゃないか』
当たり前~、と父さんは言う。
って俺、そんな頻繁に、危ない目に合ってないよ?
そう返したら父さんに、
『これだから、お惚け要員は困るんだ』
と呆れられてしまった。
『和泉はね、存在したその瞬間から、不運にみまわれていたんだよ』
今、物凄く衝撃的な事を、サラリと言わなかったか?
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