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「ちょっと、なによ、それ!! わたしが悪いみたいじゃないの!!」
和美が怒るのは、当然だよね?
うん、怒って良いと思うよ?
だって、和美の所為で俺がみ……みつ……
「ミッシングツイン、な」
そうそれだよ、伊織さん。
「さっきは言えてたろ?」
……
と、兎に角!
「和美の所為で俺が消えてたなんて、そんな嫌な事言う父さんなんて、嫌いだ!」
と言ってやれば、
『ガーン!』
父さんは、この世の者じゃ無いくせに、この世の終わりみたいな顔をして、
『和泉に、き・ら・わ・れ・たぁ~』
嘆き出した。
『ずっとず~と、見守り続けてきたのに~』
ひ~んと泣きながら母さんの胸にスリスリする父さんを、
「やめい!」
襟首掴んで持ち上げて、伊織父が止めた。
そして伊織父は、
「和也、今の和美ちゃんへの暴言は、私も許し難いぞ」
目をすがめて言った。
「そんな言い方をすれば、和美ちゃんが自分を責め、辛い思いを抱くのがわかる筈だ」
伊織父に、1票!
そうだよ、父さん。
生まれる前の、和美自身にはなんの責任もない様な事を言い出して、和美を苦しめたいの?
そんなの許さない。
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