二十六匹目 レッサーパンダは 綾なす!?

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『いや、でもね?』 ぶ~らぶら、ゆ~らゆら。 伊織父の手の下で、父さんは体を左右に揺すりながら説明する。 『和泉の謎を語るには、そこから始めないと出来ないんだよ』 俺の謎、か。 ちらりと和美の様子を窺えば、 「なによ!?」 バチリと目が合った。 「和美が嫌な思いするなら、俺、父さんを黙らせるよ?」 「……」 「俺、和美に嫌な思いさせてまで、自分の謎とか知りたいと思わないし」 「でも、知りたいんでしょ?」 「う~ん…… 正直、どうでも良いかな?」 と答えたら、 「はぁ!?」 と言う声が、沢山返ってきた。 「だって、それを知ったからって、俺が変わる訳じゃないし」 ってか、今更だとも思うよ? 16年も人間やってきちゃったら、過去を知った所で、この先の人生に何の影響があるの? とか、考えちゃうもんだし。 所詮、過去は過去。 済んだ事、終わった事。 大切なのは、今だと思うよ? 「お前は、今を乗り切るだけで手一杯なだけだろ? 5分先の未来を考えるのも面倒臭い、物臭なだけだろうが」 いやいや、そんな事はないよ、伊織さん? 俺だって、未来を見据えているよ?
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